Quantcast
Channel: 読書備忘録
Viewing all articles
Browse latest Browse all 30

『失われたミカドの秘紋』 加治将一

$
0
0
イメージ 1



内容(「BOOK」データベースより)
「天皇の真実を公表する」と言い残して絶命した友人。
歴史作家・望月真司は彼の消息を辿って中国・西安に飛んだ。
そこで目にした古い教会とモスク。なぜチャイナにキリスト教とイスラム教が?文明は西から来て、東へ広まった。
誰が何をもたらしたのか。「漢字は旧約聖書から造られた」という驚くべき啓示。
符合するユダヤとチャイナ、そして古代の日本―。好物の豆大福の糖分が、望月の思考を急速回転させた。

今年に入ってはまっている加治さんの
歴史シリーズの新作『失われたミカドの秘紋』
毎作、新鮮でしかも刺激的な説が披露されてきた。
今回はどんな説が展開されるのか??

今までの作品に比べるとスケールが大きい。
話は日本にとどまらず、中国、そしてユダヤにまで及ぶ。
漢民族ってそもそもどういった民族なのか?
儒教の中に見え隠れするユダヤの痕跡。
さらにある漢字の中に秘められた思いがけない話。
などなど興味深い話が満載でした。

そして相変わらず言われて見ればなるほどとという話も沢山ありました。
日本が倭→大倭→日本って変遷していることを安易に流していましたけど言われて見れば・・・
なんらかの意図はあるはずですし。
日本とユダヤの共通点に関する話もまた面白い。
言葉や習慣の中にこれだけ類似点があれば全く関係性がないとは言い切れないように思うのですが・・・
日ユ同祖論とまではいかなくても、その影響はあるんではないかな・・・
いやありそう、そう思います。

とこんな感じで今作は前作の『舞い降りた天皇』が天皇の初代に迫っていったのから
さらに踏み込んで、日本民族の成り立ちについて大陸を遡って語られていきます。
ルーツを知っていくと、日本人の他文化に対する寛容性や受け入れの柔軟性といった美徳が、
なぜ培われていったのかも解るような気もします。

先が気になり走り読みしてしまった感もあるので、また再読したい本です。
毎回面白い着眼点で楽しませてくれる加治さんが、次は何を題材にするのかもまた楽しみです。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 30

Latest Images

Trending Articles





Latest Images